近年『サマーウォーズ』や『時をかける少女』などの長編映画アニメーションを製作し、数々の賞を受賞し、海外での評価も高い細田守監督。
過去にTVでの放映もあり、観たことがある方もいるのではないでしょうか。
高校在学中、角川映画が製作した『少年ケニア』という作品で公募されていたアニメーターに合格。
学校のテストのため、参加はしませんでしたが、後にアニメを制作した東映アニメーション(当時東映動画)に入社します。
けれども周りの人達の上手さに自信を失い、アニメーターとして厳しい6年間を過ごします。
必死でもともと希望していた演出の採用試験に受かったのを契機に舞台を変え、『ゲゲゲの鬼太郎』で演出家としてデビュー。
そして『劇場版デジモンアドベンチャー』で初監督を務め、大きな評価を得ることとなり、今もアニメ監督として活躍をしています。
他にも自身の作品『おおかみこどもの雨と雪』を小説としてだしたり、現代芸術家の村上隆に請われてルイ・ヴィトンの店頭プロモーション用アニメ『SUPERFLAT MONOGRAM』の監督をしたり、押井守の娘と作家乙一の結婚披露宴で流れた2人の映像制作など監督以外でも様々なことをしています。
実写映画『のぼうの城』などで監督をした樋口真嗣との仲の良さは業界でも有名で、よく飲み明かすほどとか。
このように良い人柄・作風のためか業界内でもファンや影響を受けたという人が多くいます。
エピソード
中学3年生の当時、テレビ番組や雑誌を参考にコピー用紙1000枚ほど用意しておよそ1分間の飛行機のアニメーションを制作し、スタジオジブリの採用試験では2枚以上の絵を提出するという条件に対し150枚を超える量を提出するなどとてつもない情熱があります。
試験自体は宮﨑駿に「君のような人間を入れると、かえって君の才能を削ぐと考えて、入れるのをやめた」と手紙をもらい、落とされはしたものの
『ハウルの動く城』の監督に抜擢もされました。結果的には同作品も宮﨑駿が監督をしましたが、業界内でも強く才能を認められていることが伺えます。
作風
アニメーターとして、ベテランの角田紘一、先輩である山下高明などに師事しており、
演出家として、山内重保、幾原邦彦、古橋一浩らから影響を受けていると公言しています。
アニメをあまり観ない人たちにも観てもらうための工夫をしており、細田作品にはアニメではよくある人物描写に影がありません。
それはあえてシンプルな表現をすることで、より他の部分を作り込み、そこを際立たせるためです。
一方でギャグ演出では馴染みのあるマンガ的な表情などで表現することもあります。
またCGを手付で動かすなど、他にはない独自の演出手法もしています。
作中に飛行機雲・交通標識・二股道路・少女・老婆・ソフトドリンク・デジタルの球体空間を出すことで、メタファー・伏線として用いることも多々あります。
いま細田守を知るならこの作品
あらすじ
天才的な数学力を持ちながらも内気な性格の小磯健二は、あこがれの先輩・夏希に頼まれ、長野にある彼女の田舎へ。そこで二人を待っていたのは、大勢の夏希の親せきたちだった。しかも、健二は夏希から「婚約者のふりをして」と頼まれ、親せきの面々に圧倒されながらも大役を務めることに……。
(Yahoo!映画より)
サマーウォーズが発表された当時は2009年とまだ仮想現実に馴染みがない人も多かったですが、
今はネット上でゲームやコニュニケーションをするのが当たり前になってきました。
なのでもし一度観たことがある人でも今改めて観るとより世界観にはまり感情移入できるようになるかもしれません。
■公式サイト:http://s-wars.jp
最後に
スタジオ地図が、今までの手狭な雑居ビルから、少し広い場所に引っ越しました。つまり、いよいよ現場が始まります。
— 細田守 (@hosodamamoru) 2014, 4月 7
現在大きな発表などは今はありませんが、また何か動き出しているようなので、次作を楽しみに待ちたいですね。
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